2016年12月12日月曜日

自虐さんのなつゲー☆レビュー 火激(カネコ/タイトー 1988 AC)

ご無沙汰しております。

中年執筆中....(執筆しているとは言っていない)




今回は久しぶりのなつゲーについて。
ゲームコーナーの源平討魔伝の二つ左隣、薄暗い奥の端っこにあったあの筐体のお話。




「火激」 カネコ/タイトー









第一回でご紹介したDJBoyを手がけたカネコが製作、タイトーからリリースとなった本作。

以前ご紹介した熱血硬派くにおくんと似たカンジの平面アクション。
主人公と敵対する「火激軍団」とタイマン勝負する全9ステージ構成。

メガドライブで家庭用移植もされてたみたいです。






デモ画面で紹介される敵のプロフィール。
殺傷前科持ちで女装が趣味、体が緑色になる変態が一名混じってます。







ステージは面による背景変更はおろかスクロールすらほぼ無しというシンプルな構成。

操作についてもレバー移動以外は2ボタンでジャブ/ストレート&両ボタンでダッキングのみというシンプルという言葉すら違和感のあるあっさり仕様。





ダウンするとたまに悔しくて地面ドンドンする主人公

このほかにもダウンした敵が総長にヤキ入れられたり、カネコ得意の外野から火炎ビンとか細かいアクションがちょいちょい挟まる。











中途半端にリアルな劇画調グラ(なおキャラ全員二頭身)、動きのほとんどない画面ヅラ、薄暗いゲームコーナー最奥という立地もあいまってか異様な雰囲気を醸し出していたというのがこのゲームの第一印象。


正直なところデモ画面を眺めていてもあんまりやりたいと思わなかったんで、稼動後何日かは完全にノーマークでした。





ところが数日経ってからじわじわとプレイする人が増加、なにやら結構おもしろいとの話も出てきたんでやってみることにしました。








「むずかしいなコレ...」







当時得意だったゲームは大体の行動や出現がワンパターンないわゆる「覚え」「ハメ」ゲーで、人のプレイを見ることでパターンを覚えて長い時間プレイできるものばかりでしたが、逆に苦手だったのがパターンが複雑な「格ゲー」系統のゲームでした。



絵ヅラのシンプルさに騙されてましたがコレ、結構タイミングがシビアなゲームです。
(今のゲームからしたら全然そうではないんですが当時としては)




「くにおくんとあんまり変わらんしイケるやろ!」→「あかん、めっちゃパンチよけられるやんけ!」







下の動画見てもらったら早いと思います。
こいつら動きもパンチもめっちゃ早いし、ダッキングでパンチよけまくるんです。
こっちはジャンプすらできないのに、とび蹴りしてくる奴までいるんです。



ダッキング、ジャブ、ストレート、この三つの組み合わせのみで勝負しなくちゃならんので結局このゲームは全然上達しませんでした。





どんなにがんばってもこの4面デブにぐるぐるパンチでやられてました。

ぐるぐるパンチが何回やっても避けれない!




うまい人はダッキングつかってパンチよけたりジャブ使った連打で凌いでましたが、中盤以降はほとんど運勝負になってた気がします。
(先に連打当てたほうが勝ち)












結局このゲーム、玄人向けすぎたのか短期間で撤去されたので当時クリアを見ることはありませんでした。




今回記事を作るにあたってプレイ動画見ましたが、毎回負けた敵キャラをマンホールに落とす強キャラっぽいおじさんが激ヨワだったという事実を知り驚愕。



やんのかコラ!ざけんじゃねぇぞ!        <やっるじゃぁ~ん❤


ジャブ当てて連打からストレートが基本。でもしょっぱなにストレート当てる戦法も有効みたいなんでちょっと試してみたい。
この動画の人はホント上手。


















ラベル一覧はコチラ
「なつゲー☆レビュー」

2016年9月19日月曜日

ライギョタックルのメンテナンス リール編 Abu 6501C3

若干ご無沙汰しております。(当社比)
自虐クソ野郎です。


[近況]
最近独り言が増えました。




もう9月になっちゃいましたが、今回はシーズン前にメンテナンスした雷魚タックルのリール編です。

リールは改造している部分もありますで、それを含めてご説明します。
毎度のことながら改造は自己責任どうのってくだりはもうそろそろ無くてかまいませんね!





【リール】
Abu/アンバサダー6501C3 15 00

もう10年近くなる雷魚用のメインリールです。

ピュアフィッシング扱いでレコードシリーズが出たあたりのモデル。
平織りカーボンドラグワッシャー、ロック式六点遠心ブレーキ等の仕様変更が成されており、外部から確認できる特徴ではスターホイール(ドラグ)の形状がなんかこう、シュッとしてます。(関西人)




ハンドルサイドから。

B-Trapのマイナススクリューに交換したものの、締めすぎてネジが折れました...

ちなみにハンドルはバレーヒルのサーペントバイトハンドル(※0)に交換してあります。




パーミングカップサイドから。
こちらもB-Trapのマイナススクリューが1個もげてます。
脳筋だからしょうがないね。



フロント部アップ。
レベルワインダーは純正ではワイヤータイプですが、磨耗が気になったので瀬戸物(※1)に交換しました。
たしか4600DDL-IMAEあたりのモデルの純正品だったと思います。(要調整)



そのままはサムレストに接触してしまうので、爪の部分を若干削ってます。



パーミングカップ内部
キャスト時に誤作動するのでラインクリック機構(糸巻いたときにカリカリ音するやつ)は外しました。
レベルワインダーに連動するギアはB-Trapの5152スーパーギアに交換してあります。

元のギアの番手は5152番ではなく、Eリングがないカシメ固定のタイプですが、このモデルに関してはカシメ部をカッター等で切ると取り外し可能です。
カシメ部以外は5152番ギアとほぼ同寸のようなので、5152スーパーギアとの交換が可能です。



件の5152スーパーギア
B-Trapから発売されているチューニングパーツ。
Abuの5152番ギアと同寸で、内部にベアリングが1個追加されています。
カシメタイプの物と交換する場合はEリングを追加しないといけないので注意。


ちなみにコレ、現在では軸受けに2個ベアリングが追加されているモデルも発売されているようです。




このモデルの特徴である六点遠心ユニットと軸受けベアリング。
これになる前は二点or四点の平べったいタイプの遠心ブレーキブロックだったと思います。
ブロックの数が増えて、ON/OFFもできるようになってとっても便利。

地味な事ですがブレーキブロック数の増加は、キャスト初期の回転数が上がりすぎるフロッグの遠投を考えたときにかなり有利になります。

それと、ベアリングは当時出たてのZPIのSicボールベアリングにしてました。
ただ、オープンタイプのベアリング(※2)なので、次に換える機会があったらシールドタイプに戻そうと思います。




カーボンマトリックスワッシャー
たしかRevoが出たあたりから搭載されていたと思います。
通常の緑の厚紙っぽいのと比べても厚みがあり、潰れにくくしっかりと効いて適度に滑る。
組み立て時には脱脂して、ごく少量の油脂で組みます。

3枚ありますが、よく見たらやっぱり数枚は磨耗で薄くなってしまっていました。




のこりの部分を外部から細かくチェック。
やはり1シーズンノーメンテだとよごれが溜まります。
それでは分解洗浄開始。


........
......
...









で、分解したものがコチラ。

レベルワインダーのクロスギアはこれまたB-TrapのBBクロスバー6000に交換済み。
クロスギアの両端にベアリングが入っているユニットです。


シンクロナイズドレベルワインド(※3)仕様なんで、レベルワインダーの駆動部のスムーズさが重要だったりします。




ので、
こ↑こ↓のパーツは洗浄ついでに研磨します。
クロスギアのフード部分。



パーツクリーナーでぶしゅー



さらにこいつを鏡面仕様コンパウンドでしこしこするとこーなります。
もちろんクロスギアも研磨。(やりすぎ注意)





ほかのパーツも洗浄。





恒例のスピンシェイカーチェック。
うん、きたない!



例のごとく金属パーツはウエスで拭いてパーツクリーナーで洗浄。
樹脂パーツや細かい部品はママレモン+歯ブラシで地道にゴシゴシ。







パーツの洗浄研磨が終了したらあとは組み上げ。
メイン/ピニオンギアその他駆動部と接触部はスピングリスセカンドを使用。
粘度調節が前提のグリスなんでもともと粘度高め。
今回はそのまま薄めずに使用。




レベルワインダー連動まわりにはスピングリスフィネス
こちらはうって変わって低粘度。
粘度高めのオイルにしようか迷いましたが、安定をとって手持ちのなかでも低粘度のグリスにしました。
外部に露出したギアなんで、砂とか入る危険性も考えて手堅くいきました。


ちなみにベアリングとスプール軸受けまわりはスピン雷魚。
粘度低すぎないので回転は多少安定します。





そして出来上がりがコチラ
(今回は忘れずにアフターの画像も撮っておきました。)


全体的に仕様が古いのはお察しください。





そもそも雷魚用リールにAbuを選んだ理由ですが、ズバリ「いじり処の多さ」です。

いろいろ考えたらそりゃ左巻きでもコンクエスト401とかあったわけですが、高いのといじる部分あんまり無いのでやっぱりAbuにしました。


ベースになるリールも安く(たしか当時2万ぐらい?)社外品チューンアップパーツも充実してますし、いじると格段に飛ぶようになるのが魅力的です。


リールの高さがやっぱり高いとか、ボディの剛性とか、ギアの精度云々とかいろいろアレな部分もあるけれども、それを含めて愛せるリールになりました。




箱から出して一通り撫で回して、分解して、パーツ組んで、慣らし運転(※4)して、ばらして、洗浄して、油脂交換して...

そんな初めてキャストするまでのセットアップが楽しめるリールって、あんまり無いですよ!
(そんなことするヤツも、そんなこと楽しむヤツもあんまりいませんよ!)











※0:サーペントバイトハンドル

アニキ入魂の豪腕ハンドル。とっても高い。
ノブが独特の形状をしているが、長さがあってにぎりこみやすい。
はじめはふいんき(変換不可)重視でクラシックタイプのハンドルにしたものの、握りこんだときにプレートに指が接触して血だらけになったので交換した。









※1:瀬戸物

せともの。セラミック的なアレ。Sicじゃないし、たぶんハードロイかなんかのリングが入っている。
純正のワイヤー物の方がたぶん軽いんだけど、PEライン使うと削れて溝ができちゃうんで交換。
微妙に接触したりでけっこう削ったりなんやらした。





※2:オープンベアリング

ベアリング内部のボールが露出しているタイプのベアリング。
摩擦が少ないなんやらで流行ったけど、低粘度オイルをたっぷり吹くと回転時に飛び散りまくってめんどくさい。
特にAbuはグリス部とオイル部隔てるものがあんまり無い作りが多かったので、飛び散ったオイルとグリスが混ざって大変。
オイルとグリスの混合したものがベアリングに入って回転悪くなるし、揮発したらしたでそれも回転悪くなる。おまけにギアのグリスが溶けてギアが痛みやすい。樹脂パーツも痛む。

オープンベアリング+低粘度オイル(CRC-556とか)たっぷり+Abuの組み合わせはホントに危険。
(個人的な感想)





※3:シンクロナイズドレベルワインド

キャスト時にレベルワインダーが連動して動くタイプ。
スプール径と幅が広いリールの場合にはあったほうがいいかも。
スプールの回転がレベルワインダーに連動するので、回転がスポイルされるのが難点。
ベアリング追加(5152スーパーギア+BBクロスバー6000)+部品研磨でレベルワインダー部をつまんで左右に動かすとハンドルが回るぐらいまでスムーズになる。

なんで当時この機構が6000番ならともかく、4600番みたいなスプール幅の狭いリールにまで採用されていたのか、いまだに分からない。かっこいいけど。





※4:ならし運転

車とかでやるアレ的なアレ。
パーツ組んでからまる一日低速でハンドル回しつづけて部品バリを落とす。
電動ドライバーにソケットつけてハンドルナットにつけてまわしてました。
元ネタは某TACKLE B○X誌。
当時私は若く、変態行為をしているという自覚は希薄でした。








メンテナンス関連の記事は→こちら















2016年7月28日木曜日

ライギョタックルのメンテナンス グリップ編

またまたご無沙汰しております。
自虐クソ野郎です。


[近況]
すっぽん手に入れました(釣った)

これも後日記事にまとめようと思います(まとめるとは言ってない)






7月も終わりに近づきずいぶん暑くなってきましたが、今回はシーズン前にメンテナンスした雷魚タックルについて。

主にロッドとリールのお手入れですが、本日はグリップのラバー交換の模様です。
毎度のことながら改造は自己責任d(ry








以前はテニスラケット用のグリップラバーを巻いていましたが、ボロボロになってきたため外すとこんな感じになってしまいました。



ロッド:ゴリアテ GO-76H(天龍)



ラバー部分はすんなり剥がれましたが、デコボコができるタイプだったので突起を作るゴムがコルクにへばりついていました。
慎重にやったつもりですが結構コルクが欠けました。(みなさんも気をつけよう)




このまま使っても滑るうえに余計にコルクが痛みそうなんで、熱収縮チューブを入れることにしました。

約40%縮むとのことなので径を測り適当なものを購入。



ヒートガンなんて高級品あるはずもないんでドライヤーでがんばるもほとんど縮まず。

結局コンロで炙ることにしました。
※火の扱いには十分ご注意を!あと、近づけすぎたら普通に燃えます。



まずはフォアグリップから。

タテだけでなくヨコにも縮むことが予想されたんでフォアグリップのリールシート側に端が来るように慎重にフィットさせていきます。

なんとかキレイに出来ました。


余った先端部分はキレイに切り取ります(上野クリ○ック感)






続いてトリガー下部分も同じ要領で。




ぴったりあわせてピチッと決める。



遠火でじっくり熱を加えて(近すぎると溶ける)いったん冷ます。

緩みを確認して再度加熱を繰り返して

.....
...
..



完成!






ホントはこの上からまたデコボコタイプのテニスグリップ巻く予定でしたが、このままでも十分イケそうなんでちょっとこのまま様子見てみます。





上にチラッと出てきましたが次回はリール編!


2016年6月18日土曜日

シマノ 97'メタニウムXT(銀メタ)をメンテしてみた

ご無沙汰しております。
自虐クソ野郎です。


[近況]
すっぽん手に入れました(釣ったとは言ってない)






今回は友人より依頼がありました銀メタをメンテしてみます。



【おことわり】
・趣味&独学メンテです。あんまり参考になさらぬように。
・分解メンテは自己責任!
・勘違い等多々あるかもですが生暖かい目で見てやってください。
・リール警察さんは帰って、どうぞ。





今回のご依頼は97'スコ-ピオンメタニウムXT(通称「銀メタ」)



バンタムの名を冠した「バンタムスコーピオンメタニウムXT」(通称「赤メタ」)の後継機種としてデビューし、2000年に発表されるメタニウムMgと共に一時代を築いた名機です。
この機種からネームプレートに「バンタム」の文字がなくなります。(※0)




バス釣りのテクニック多様化にあわせて左ハンドルモデルが一般化したのもこのモデルが発表されたあたりからです。


個人的には焼き入れ模様のブランキングスプール(※1)とその回転性能に驚いた印象が強いです。
(当時使用していたリールがAbuの4600番台(※2)だったのでなおのこと)


ちなみに糸を巻いた状態の重量がこちら

最近の同クラスリールとくらべてもあまり遜色無いような。




シマノ伝統の34mm/16lb-100m強スプールでミディアム~ヘビークラスのロッドまで広い範囲で対応し、当時ではハイギアの6.2:1で手返しも上々。

「巻きのカルカッタ、撃ちのメタニウム」

がプロの間でも一般的だったように思います。


ほぼ同スペックのスコーピオン1500が出たのも同じぐらいの時期だったと思いますが、樹脂部品が多用されており上位機種にあたる銀メタの方が剛性で優れています。




ただ、この時期のリールには泣き所が数箇所あり、今回預かったリールにもその兆候が見られました。


まず一つ目がレベルワインダー部


このキャップがプラスチックなのでよく割れます。

外しているのでうっすらですが、取り付けると目立ちます。

現在の機種は金属キャップになり位置も内側に移動していますが、この頃の機種はこのヒビが入りそこにバックラッシュした糸が絡み破損する事例が見られました。
まぁ経年劣化の類なんで長いこと使ってきてヘタる場所です。

画像ではクロスギア(※3)内のグリスがなくなっている状態なので砂や小石が入り放題、
日ごろのお手入れでもチェックしたいところです。


もう一つはピニオンギアの空転
これは釣りしているときにはほとんど影響なし。
リールに糸巻いた状態で強めにハンドルを回し止めると慣性でスプールが空転する現象。
ピニオンギアを抑えるパーツのバネをほんちょい伸ばせば解決します。これも経年劣化の類ですね。



ほかの症状としては
・ハンドル巻き時のゴリ感
・ドラグがすべる
・クラッチが硬い
・汽水で使ってそのままなんで、どっか錆びてるっぽい

とのこと。


メンテナンスするうえで重要なのはこの時期のリールはパーツ保持期限が過ぎており、純正パーツの在庫をメーカーが持っていない場合があるということ。
(パーツ保持期限はカタログ落ちからだいたい3~5年、それを超えて欠品したパーツは再生産されない)


なので、パーツ欠品を理由にメーカーメンテナンスを受けられない可能性が高いです。
(「ネジを壊さないと開けられない→ネジの在庫がないと組み戻せない」 とのこと)
お手持ちのリールが廃盤になって長い場合、お近くの釣具屋さんで相談するかシマノアフターに直接問い合わせてみてください。



それを踏まえて今回のメンテナンスは

・パーツ交換なし
・なるべく純正油脂仕上げ
・部品洗浄/研磨、ベアリング油脂は洗浄交換

でいきます。


それではバラしていきましょう。

..........
......
...




で、バラしたのがコチラ



細部にヨゴレが溜まってはいますが、決定的な破損部品等はなさそうで一安心。






懸案のレベルワインダー部分はすこし腐食した部分がありましたが、洗浄と研磨で何とかなりそう。



特にベアリングが深刻でしたが錆びを落とし脱脂した状態で回すと、若干の異音があるものの意外とスムーズな回転を確認




ベアリングは脱脂のために前回も活躍したスピンシェイカー+パーツクリーナーにIN
金属部品はパーツクリーナー+歯ブラシでごしごし
樹脂部品はママレモン+歯ブラシでごしごしと地道に洗浄します。



分解時には方向がややこしそうなパーツは要注意
逐一携帯で画像を残せる、いい時代になりました。





ママレモン+歯ブラシ処理完了

ヨゴレもすっきり。
メタニウムはサイドプレートも金属系素材なんでやっぱり剛性感あるな。




金属パーツの洗浄と磨きも終了(一行ですが工程として数時間)


ベアリングの脱脂と乾燥も済んだので順次注油していきます。



ごく少量噴霧しては余分な油を飛ばしなじませる。

これを繰り返すこと数回

スプールシャフトを支持するベアリングはオイル
それ以外の駆動系支持ベアリングはグリスを充填していきます。





ちなおなじみの脱脂済みスピンシェカー内部

今回はあんまり鉄粉出なかった(´・ω・`)







そして今回不具合として挙がっていた箇所、ドラグの心臓部となるワッシャーが磨耗と油を吸ってぺちゃんこになっていましたので処置。

使用時は急にドラグがすべり、急に止まるといった動作不安定が見られたので、おそらくワッシャーがぺちゃんこなんだろうなと思ってたら案の定でした。


本当は磨耗もあるので交換がベターですが、今回はパーツ交換無しなので本来の柔軟性が戻るように脱脂してコネコネ。

ビフォーを撮り忘れたのでアフターのみですが、ずいぶん良くなりました。
組み込みは極少量のグリスで行います。
組みあがり時にはしっかり効いてスムーズに動くようになっていたので一安心。


ただし、交換したわけではないので保管時にはドラグを緩めておいてもらうようにお願いしました。
これに関しては今のリールでも構造上同じなので、みなさんお手持ちのリールは保管時には緩める事をお勧めします。
(最悪ドラグワッシャーが固着して動かなくなる場合があります)




続いてクラッチ
クラッチが硬いとの症状でしたが、おそらく砂やゴミなどが付着した事と、グリスの固化が原因

ここも使用していたら外部からゴミや砂などが入ってくる部分。しっかりと洗浄してグリスアップしてから組み上げます。






最後にハンドルの固定

今回はハンドル部分は可能な限りノータッチでした。
なぜかと言うとこのハンドルノブ、溶けてねちゃねちゃになることで有名。
パーツクリーナーダメ、ゼッタイ。

このタイプのハンドルは裏からネジ二点で止めるタイプなんで、前回でも活躍したネジロック先生(※4)に再度お願いしました。
普通に締めるだけではかなりの確率で緩みます。




これにて完成、うーんいい仕上がり。
(この記事執筆中に仕上がり画像撮り忘れに気付く)









今回はオーナーさんが大事に使っていましたので内部の状態が良く、パーツ交換なしで比較的いい状態に仕上げることができました。

このリールは剛性があるためノーメンテで長く使っていた方が多く、実際は部品交換が必須になる場合の方が多いでしょう。
現状パーツは手配が困難なものが多いと思われますが、幸い中古市場でも弾数が多いモデルなのでパーツ取り用のジャンク品もよく見かけます。
構造も現在のリールと比較してもそこまで複雑ではないので、思い入れのある銀メタを眠らせている方は一度レストアしてみてはいかがでしょうか。

青春の思い出が蘇る....かも!








なお、元に戻せなくなってもメーカー対応してくんないと思いますんで、あくまで要ご検討のうえ自己責任でネ☆













※0:バンタム
そういえば今年バンタムブランドが復活するといううれしいニュースがありました。もう釣具屋さんにはバンタムの竿が並んでいます。
ついでにバンタムの名を冠したリールが復刻してくれたらうれしいですね。



※1:ブランキングスプール
糸を巻く部分「スプール」に穴あけ処理が施されているもの。ミニ四駆の肉抜きフレームみたいなもの。
軽量化につながるが強度と両立させるのが大変なんだろうなと思う。



※2:Abuの4600番台
当時Abuの主流だったパーミングカップタイプの丸型ベイトリール。ガンナーやDDL-IMAEなど多数の派生モデルがあり、プロも多く使用する人気モデルだった。
シンクロナイズドレベルワインダーという投げたときにスプールと連動して動くレベルワインド機構を採用していた為、ぶっちゃけあんまり回らなかった。



※3:クロスギア
あのばってんの溝が入ってる棒のこと。



※4:ネジロック先生
正式名称は「コニシ・アロンゆるみ止め」





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